レンゲが上手く使えない。

恥ずかしい話をする。レンゲが上手く使えない。チャーハンに添えられているのがスプーンだったらいいのに、と思ったことは一度や二度ではない。底にへばりついてしまう米粒の対応に、苦慮してしまうのだ。舌をペロッと出して舐め取るのは、女の子だったら可愛い仕草だけれど、私のようなオッサンがすることではないのは、十分に承知している。レンゲを見ると動揺している自分については、できれば、このまま隠し通したい。

だからレンゲが嫌いか、というとそうでもない。むしろ大好きだ。その造形の愛らしさがたまらないし、意匠も素敵なものがたくさんある。街のざっかけない中華屋さんの、粗雑に扱われるそれだって、なんとなく風情がある。ちなみに、レンゲは正式名称ではなく、散蓮華が正しいらしい。といっても、なにが正しいか、正しくないかなんて、そんなに関係ない。写真のチャーハンのようなものも、実はナシゴレンだし（笑）。