サカタカツミノブログ

個人的なブログ。ブログなんてすべてそんなものだけど。

尾の身なら鯨だと思った。

鮪の尾の身の煮物。脂がたっぷりでトロんとコッテリ。コクのある純米酒をぬる燗でー。

サッパリとしたものを食べましょうという話になると、じゃあ魚ですねという流れになってしまうが、なかなかどうして魚もコッテリとしていることも少なくない。マグロの尾の身、つまりシッポの部分は競りの前に、それこそ「床に転がっている」マグロを売人たちが引っ掛けるバールのようなもので目利きしている時に見ている、あそこの部分。脂ののりなどを確認するために見るというが、だからというわけでもないがコッテリとしているのが素敵である。皮にもトロンとした部分があり、そこも美味いのだ。

尾の身といえば鯨を思い出してしまうのは、出身が大阪だからなのか、年のせいなのか。和食店の黒板に達筆で魚偏の文字とともに尾の身と書かれていたら、それだけで「あ、鯨の尾の身があるのかー。刺身は無理だとしても、菜っ葉とさっと煮てあれば旨いな」と勝手に考えてしまう。で、よく見ると「あれ、鮪って書いてある」と恥をかきそうになる。思い込みは禁物だし勝手な妄想は後で痛い目を見るのだ。写真の尾の身に添えられていた牛蒡もとても旨くて、日本酒のぬる燗とピッタリ。脇役ではない主役級の活躍だった。