サカタカツミノブログ

個人的なブログ。ブログなんてすべてそんなものだけど。

蕎麦を嗜むということを。

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関西生まれで関西育ちだから、蕎麦にたいした思い入れはない。蕎麦屋さんの発祥の地の碑の近くに事務所や自宅を構えていたけれども、それよりも「うどんのほうが好きやねん、ワシ。きつねうどんの甘く炊いたお揚げさん。そしてまあるいおうどんと、ストンと胃袋に落ちる出汁の味がたまらんねん」という感じだった。いまもそれほど変わっていない。池波正太郎の本を読んで「蕎麦をたぐる前に、板わさなんかで酒をチビリ」って格好をつけることができるようになっても、なおだ。

ただ、歳を取り、食べる量が控えめになってきたいま、嗜むという言葉に違和感が無くなってきた。美味いものを少しだけ。そして、ゆっくりと楽しんで。昼間から蕎麦屋でビールを頼む。付いてくる蕎麦味噌をなめながら、グラスをゆっくりと傾ける。生ビールではダメな気がする。ここは瓶ビールで。グラスは小さめで。かえしがたっぷりと入った玉子焼きでさらにビールを飲む。締めにはザルやもりではなく、花巻を。海苔の香りを十分に纏った蕎麦が、スルスルと喉を通り抜けていく。至福のとき。