サカタカツミノブログ

まったく個人的なブログ。ブログなんてすべてそんなものだけど。

六本木・豚組食堂の良さ。

スタンダード銘柄豚。通常の1.5倍のサイズにしました。下味しっかりの美味い豚カツ!

トンカツが好きだった。好き過ぎて「日本トンカツの会」なるホームページを作ったり、マッキー牧元さんや横川潤さんと一緒に「トンカツ三賢人」と称され、日本一トンカツに詳しい人として週刊現代に出たこともある(苦笑)。多いときには一日で三軒、そんなペースでたくさんのトンカツを食べ歩き、トンカツに対する「自分なりの基準」を作り出すと同時に、体重も増やしていった。まあ、何がいいたいのかというと、トンカツを溺愛していたということだ。しかし、それは過去形であり、今は溺愛というほどではない。

溺愛しなくなった理由は「歳を取った」からだ。カリッと揚げられたトンカツは、肉汁の作り出すジューシーも大切だが、それ以上に食感とのどごしが重要だと考えていた。上手に揚げられたトンカツにたっぷりとソースをつけ、ツヤツヤの白いご飯とともに口の中に放り込んで「グビッ」とやる。これがたまらない。だから、トンカツにはつきもののドンブリ飯も嬉しいアイテムだった。しかし、悲しいかな、食べ続けると当然カロリーオーバーになる。体重も増加の一途をたどる。代謝する肉体は帰ってこない。

そんな理由から(?)トンカツの第一線から退いていた私だが、たまにトンカツが食べたくなる。が、もうグビグビとのどごしを味わうトンカツを食べることはままならない。自分なりの「年相応」のトンカツを探す必要がある。そう、若者のトンカツから大人のトンカツへの移行である。そんなとき、西麻布にある豚組に出会った。一軒家、公共交通機関では足を運びにくい場所、そして、ハイプライス。調度品や食器の趣味の良さや行き届いたサービス、素材の確かさ、高い調理技術。しかし、大事なのはそこだけじゃない。

ここのトンカツ定食は、なにより「ちょうど良い」のである。ご飯の茶碗も小ぶりだ。トンカツに下味がきちんと付いているので、ソースべったりで白いご飯とぐびぐびというタイプではない。落ち着いて、けれども、ちゃんと「揚げ物を堪能できる」バランスがとても優れている。肉の風味を損なわないようにして、獣肉の嫌らしさを消しているので、その処理を「素材に寄りかかってしまって怠っている」他の店のように「塩で食べてと薦められてもソースをつけたくなる」ことはない。塩すらいらない旨さである。

その豚組が新店舗を出す。場所は六本木ヒルズノースタワーの地下。2013年4月28日にオープンだ。それに先立って試食会にお招きいただいたので食べてきた。カウンターとテーブル席、オープンキッチンのこぢんまりとしたお店。メニューも絞り込んであるが、ちょうど良いという素敵さは損なわれていない。しかも、リーズナブルな価格設定になっている。美味いトンカツを食べさせたいという直球勝負に徹したいという思いが伝わってくる「削いだ良さ」だ。ここはぜひ、私が選んだ少し厚切りタイプをオススメしておきたい。

飲食店はとかく「サービス過剰」になりがちだ。理由は簡単で「お客は飽きるのではないか」という恐れと「これだけではダメじゃないのか」という不安。しかし、その恐れや不安は「これが美味い!」と自信を持って提供する一品があれば、ある程度解決するよう気がするのは私だけだろうか。そう感じさせたオーナーの新店舗オープンに関する決意文のようなものがここにある。名文。お腹が空いたな、今日は少し「奢ったランチ」をと、六本木界隈で考えたなら、迷わず足を運んでみて欲しい。いろいろと満たされるはずだ。

豚組食堂(2013年4月28日オープン)
東京都港区六本木6-2-31 六本木ヒルズノースタワー B1
11:00〜23:00 (22:30 LO) 年中無休