サカタカツミノブログ

個人的なブログ。ブログなんてすべてそんなものだけど。

褒められない人のために。

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褒めるのが下手な人がいる。そういうタイプを注意深く観察していると、多くは自分では褒めたつもりでいる。それが始末に負えない。例えば、直属の部下が、ある仕事を終えて報告したとする。報告を聞いて「(よく頑張った、期待通りの成果を挙げた)もっとこうすればより良くなるから、しっかりと取り組んでいこう」と、カッコ書きの部分を心の中で、もしくは頭では思ったけれども、結果として言葉にするのを忘れてしまって、後段の改善点の助言となんとなくの激励だけをしてしまう。そんな上司は多い。本人としては、前段でよくやったと、心の中で認めているので褒めたつもりで大満足だ。

しかし、言われた部下にしてみたら、指摘だけを受けたと感じるだろう。考えればその通りだけれども。このタイプの厄介なところは、褒めていないことを忘れてる以上に、相手が成長するための助言をしているので、部下の心のコンディションとして良くない状況を作っていると思っていないことだ。むしろ、自分は素晴らしいアドバイスができている、より良い方向に導けているぞ、と誤解していると言ってもいいだろう。どう考えてもボタンが掛け違えているのだが、気づくことは難しい。当事者が状況を理解することは骨が折れるし、周囲も指摘しにくい。結果、部下の不幸はずっと続いてしまう。

部下にアドバイスをしているけれども、手応えがない、成長が感じられないと感じた上司は、まず『きちんと褒めているか』再確認することをお勧めする。褒めている、そう思っているだけでは駄目だ。口にして、相手が理解するまで丁寧に褒めることが肝心。態度で表しているとか、見えないところで評価しているというのは、結果的に相手には伝わらない。それ『ないのと同じ』なのだ。まずは褒めること。ついでにいうと『褒めてから指摘する』というテクニックらしきことも使わないほうがいいだろう。指摘されたことだけが印象に残ってしまう。褒めたのに伝わらずというもったいない話になる。